能面は翁面(おきな)・鬼神面・尉面・男面・女面・怨霊面に大別する事が出来る。 (中村保雄著「能面の美」より)

Noh masks are categorized in six, Okina, Fierce gods, Old Men, Men, Women and Spirits.

天岩戸の故事にちなみ、平安時代より始まった猿楽に使用されていた面で、神の現実的表出である。作者には飛鳥時代の仏師春日や聖徳太子等が伝えられているが、能面の神秘性、尊厳性を保つ為に称されたと見られる。


「鬼」は死者の霊魂を表し、「神」は天地の神霊を表す。「超人的な威力や能力を持ったもの」と解釈されている。悪魔降伏を内容とする「阿吽(あ・うん)」一対の飛出・べし見が代表される。


神の化身として登場する老翁(小尉)、老神そのもの(石王尉)、人間味の強い老人(三光尉)、外来の老神(鼻瘤悪尉)などの面がある。


少年世代の男面(童子)、実在した人(十六、喝喰、等)、若い男面、現身の男性でないものもある(中将、邯鄲男、平太等)


若い女面(小面、万媚、若女、増女)、中年の女(深井、曲見)、老年の女(姥、老女)に大別される。特に若い女面は女神(天女、天人)として、中年の女面は主として女物狂能に、老年の女面は老いた女神(高砂のツレ役)に使用される。


霊妙な神の霊魂で神秘的な尊さを備えている神霊の仮面、崇りをなす死霊や生霊の霊魂など怨霊の仮面の二種類がある。目に金冠を填入していて霊的な役(怪士、鷹、一角仙人等)に使用する。


猿楽の中で人間味のあるユーモラスなものが狂言となる。笑いの複雑な表現は面では不可能であり素顔を建前とするが、面を用いる演目もいくつかある。神や鬼、動物(猿・狐)、庶民的なおどけた表情の男女面等がある。